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歯科・口腔外科
当院の歯科・口腔外科
動物たちが口腔内の問題によるストレスがない日常生活を送れるよう、サポートしませんか？
犬・猫の歯周病に関しては、日常の診療でよくみられる慢性感染性炎症性の疾患です。口腔内疾患でも発生率が最も高く、３歳以上の犬・猫の約８０％は歯周病であると言われており、加齢に伴い発生率は高くなります。
口腔疾患は口腔内の細菌により肝臓や心臓・腎臓など、全身的な疾患に関与していると言われており、動物の寿命にも関連しております。ただれた粘膜から大量の細菌が入り込み、全身に影響を及ぼします。そのため、健康に長生きするためには口の健康維持が欠かせません。
当院では、歯周病の治療・予防歯科（歯石除去）・乳歯遺残や不正咬合のための外科的矯正・口腔尾側口内炎・口腔内腫瘍など、口の中の問題に幅広く対応可能です。
設備に関しては、歯根部まで正しく評価することができる、口腔内レントゲン検査と鼻腔内の評価や、病変部の位置や範囲を的確に評価することができる頭部CT検査などといった、画像診断が可能な設備が整っております。そのため、治療方針もわかりやすくご説明することが可能です。
このような症状はありませんか？
- 片側でものを噛んで食べる
- フードを食べているときに奇声をあげる
- 硬いものを食べなくなり、柔らかいものだけを食べるようになった
- 口を触られるのを嫌がる
- 食べにくそうにする・食欲低下
- よだれ・血が出る
- 口臭が気になる
- 口唇や頬が腫れている
猫・犬の歯式
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猫：計３０本 -
犬：計４２本
口腔内レントゲン検査
当院では歯科・口腔内治療を行う上で、口腔内レントゲン検査を行います。口腔内レントゲン検査は歯周病の程度の把握のほかに、各口腔歯科疾患の診断やその重症の程度、抜歯や歯内治療などの処置及び処置後の操作の判断や確認など、診断・治療・予後判定などに必要です。
通常のレントゲン検査は無麻酔下での撮影・全体像の評価をすることが可能ですが、口腔内の評価を目的とする場合では、左右の歯が重なってしまい一本一本正確な評価をすることができず詳細な画像を得ることができません。それと比較して、口腔内レントゲン検査は基本的に麻酔下で正しい露出時間と撮影法で検査をします。歯根や顎の骨などといった、通常のレントゲン検査では不可能な細かい部分の評価をすることが可能です。
口腔内レントゲン
（① ポータブル照射器 ②口腔内レントゲン用タブレット ③デジタルセンサー ④フットスイッチ）
当院で扱う、デジタルレントゲンセンサーは高感度で、また、照射時間を短縮しているため低線量での撮影・画像取得が可能です。
＊必要に応じて、頭部・胸部のレントゲン撮影も行います。
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乳歯遺残のレントゲン写真
赤い点の部分が乳歯です。 -
抜歯が適用となるレントゲン写真
黒く抜けている部分が骨溶解が観察される部分です。
頭部CT検査
当院では通常の歯科処置や頭部、口腔外科を行う際にも積極的にCT検査を行います。口腔内だけではなく頭部全体（耳道・鼻腔・脳内など）を観察することが可能です。そのため、病変部をより詳しく把握することができます。
正常な犬の歯と比べて、歯槽骨（歯根と歯の根元を支える骨）の溶解が観察されます。
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正常な犬の歯のCT画像（３Dデータ） -
歯周病である犬の歯のCT画像（３Dデータ）
歯科治療
また術者が怪我をしてしまう可能性もあります。
そのため、お互いの安全性を、考慮すると全身麻酔下での処置が必要となります。
また、治療によって伴う疼痛を和らげる、見落としをなくすという目的でも全身麻酔は重要です。
スケーリング＋ポリッシング（歯垢・歯石除去，歯面の研磨）
歯石は歯周病の直接の原因ではありませんが、歯石の付着により口腔内の歯垢（細菌性プラーク）をより増加させやすくします。歯周疾患の予防のためには歯垢・歯石の付着を制御することがきわめて重要です。スケーリング（歯垢・歯石除去）
当院では超音波スケーラーを用いたスケーリングを行います。超音波による微細振動で歯に付着している歯石を剥がし、粉砕します。
ポリッシング（歯面の研磨）
超音波スケーラーで歯垢・歯石除去を行った後の歯面は粗造になり、歯垢・歯石が再付着しやすい状態となります。この歯面の微小な傷を取り除き、滑沢にするために歯面の研磨を行います。-
歯科ユニット（エアーベッツDC52）
歯石の粉砕・洗浄・吸引・歯牙の分割・表面研磨等を行う機械です。 -
歯科ユニット（超音波スケーラ）
超音波を発生させ、歯石を粉砕し、除去します。 -
歯科ユニット（低速ハンドピース）
低速回転で、ブラシまたはラバーカップを用いて主に表面研磨用として使用します。 -
歯科ユニット（高速ハンドピース）
ラウンドバーを用いて歯の分割を行います。主に抜歯の際に使用します。 -
超音波スケーラー（DTE：D７） -
超音波スケーラー（OSADA：ENAC）
抜歯
重度な歯周病で、歯槽骨の吸収や歯の動揺が著しい場合に抜歯が適応となります。犬・猫において抜歯が歯科治療の手段として選択されることは少なくありません。当院では、全身麻酔下で綿密な口腔内検査・口腔内レントゲン検査を行った上で、抜歯が適応されるか否かを判断します。それを踏まえて、個々の歯の状態に適した正しい抜歯法を実施します。＊手術中の写真を掲載しております。苦手な方はご注意ください。
猫の口内炎（尾側口内炎）について
猫の口内炎は、「難治性口内炎」と言われており、非常に多くの猫が患う口腔内疾患です。原因としては、歯石・歯垢の付着だけではなく、口腔内細菌・ウイルスの感染・免疫力の低下など様々です。内科的治療を行う場合もありますが効果は多くの場合一時的であり、根治治療を目的とするのであれば全臼歯（奥歯）抜歯または全顎抜歯による外科的治療が最も適応であると考えられます。当院では、高度な技術を必要とする猫の抜歯処置も多く経験しております。口の痛みがない充実した生活を過ごせるようそれぞれにあった治療法を提案させていただきます。-
抜歯前 -
全臼歯抜歯後
縫合
抜歯後、縫合を行います。縫合糸は吸収性縫合糸（時間の経過とともに体内に吸収される糸）を使用します。
症例紹介
症例：歯周病
種類：犬 ミックス（ミニチュア・ダックスフント×ペキニーズ）年齢：１３歳（当時）
症状：目の炎症、重度の歯石の付着
処置：全顎抜歯・口鼻瘻管矯正術
処置内容
術前に頭部のみのCT検査を行い、歯の根元の状態を確察しました。歯槽骨の溶解が観察され、重度の歯周病であることがわかりました。
＊口鼻瘻管…歯周病が進行してしまい、口から鼻にかけて穴が空いて繋がってしまう状態のこと。
このように口腔内の状態によって、全抜歯を行なうケースがあります。根本的な問題としてあげられる歯を抜くことで炎症・痛みが軽減されます。そのためむしろ歯がない方が食事をとりやすくなり、健康状態も改善されます。
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処置後 -
抜歯した歯
自宅でできる歯石予防
歯垢・歯石を予防するためには自宅での口のケアが欠かせません。歯磨きガムを与えていても、それだけでは予防はしきれません。ですので、当院でのオススメのケア方法をご紹介します。
ステップ１：口元を触る。
まずは口元に触れられる練習をします。なかなか口を見せてくれないと悩む飼い主様は大勢いらっしゃると思います。ですので、口に触れられる練習がとても大切です。焦って順番を間違えてしまうと、むしろ触らせてくれなくなる可能性もありますので、それぞれのペースでしっかりと褒めてあげながら時間をかけて段階を進めていきましょう。慣れてきたら、前歯・奥歯・歯の裏側などといった順に徐々に口の奥の方に触れるようにしましょう。
ステップ2：ガーゼで磨く
触れられることに慣れたら、次はガーゼで歯を磨いていきましょう。ステップ１と同じように、前歯から始めて徐々に奥歯を磨きましょう。強くこすらず優しく磨きましょう。
ステップ３：歯ブラシで磨く
歯ブラシは犬用の歯ブラシを使いましょう。ゴム製の犬用歯ブラシでも問題ありません。まずは、歯ブラシを嗅がせたり、舐めさせたりして慣れてもらうところから始めます。そこから同じように前歯から始めて、徐々に奥歯を磨きましょう。力を入れすぎないよう注意しましょう。
- 犬・猫の歯茎は敏感かつ人間と比べてエナメル質が薄いため、人間用の歯ブラシでは傷がついてしまう恐れがあります。
